日本最南端の有人島、波照間島(はてるまじま)。
総人口たった500人程のこの島には、鮮やかに輝く南十字星やエメラルドブルーの海を一目見ようと、年間3万人もの人々が訪れます。
特に、航空路の充実を理由に、国内観光客の割合は年々増加しているとか。
波照間島の魅力は、「日本の一部でありながら、独特の習慣やルールを持っている」こと。
今回は、波照間島の一風変わった文化を3つご紹介します。
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また帰ってくるよ!波照間島独特の愛あふれる「お見送り」
波照間島には、港が1つしかありません。島を出入りする時は、みんな必ずこの港を使います。
船が出港すると、島に残っている人たちがわらわらと消波ブロックへ移動します。
写真でも、島のお兄さんがブロック上を歩いていますよね。
そして、島を出ていく人たちに、残っている人たちが手を振って見送ってくれるんです。
船の姿が見えなくなるまで、「また帰っておいで〜」と手を振ってくれます。
遠くなっていく波照間島の港を見ながら、知らず、涙が溢れていました。
波照間島は、人情に溢れた島です。島民は島を訪れる人々に、まるで家族のように接してくれるんです。
たとえ日帰り旅行であっても、島の人たちは「また帰っておいで」と言ってくれます。
波照間島を訪れた人は、多くがリピーターになるそうです。
それは、波照間島民のこういった温かい習慣・心遣いがあるからなのかもしれません。
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島全土でヤギ(食用)が放牧されている
波照間島名物と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
テビチ(豚足)入りのおでん、食べると10年は長生きできるという長命菜(ちょうめいさい)、幻の泡盛と名高い泡波・・・山ほどある名物の中で、私のイチオシは「ヤギ汁」です。
ヤギ汁は、骨ごとぶつ切りにしたヤギ肉を塩で軽く味付けした煮物です。
ヤギ肉からたちのぼる豪快な獣臭(けものしゅう)に加え、食後に襲いくる凄まじい精力は、他料理の追随を許しません。
[aside type=”normal”]ちなみに、オキハムという琉球料理を専門に取り扱う食品会社がレトルトのヤギ汁(860円/500g)を販売しています。
よろしければお土産にどうぞ。[/aside]
ヤギ汁は、沖縄ではお祝いの席で出される精進料理。
もちろん、波照間島でもよく食べられています。
そのため食用のヤギが島内のあちこちで放牧されているというわけ。
のんびりと島の雑草を食べる親ヤギと、その周りを跳ね回る子ヤギたち。
島内では珍しくない風景ですが、見ているととても癒やされます。子ヤギたちは、まるでハイジのユキちゃんのようです。いずれ食べてしまうのだと思うと胸が痛いのですが。
ちなみに、木などに繋がれているヤギは親ヤギ、繋がれていないヤギは子ヤギです。
なぜかというと、子ヤギは繋いでいなくても親ヤギの元へ帰ってくるから。ヤギは賢いですね。
時計不要!8:00と17:00に島内放送で連絡あり
波照間島には、集落内にたった1つだけ小中学校があります。全校生徒数は30名ほど。
島内に高校はないので、波照間島の子供たちは、石垣島か沖縄本島の高校へ進学するのだそう。
どんな国でも、田舎に行けば行くほど、時間がゆっくり進んでいるように感じますよね。
時計をあくせく見ることなく、ゆったりと行動しているからでしょうか。実際、島内で時計を見かける機会はとても少ないです。特に、宿の外に出ると一切見かけませんね。
それが理由なのか、朝と夕のご飯時には島内放送が流れるようになっています。
「そろそろ勉強や仕事を切り上げて、帰る時間だよ〜」というアナウンスですね。
特に何の変哲もない、「ピンポンパンポーン」というチャイムなのですが、それを合図に、小・中学生の子供達が下校したり島の方々が出勤・帰宅されているのを見ると、古き良き日本が思い出されます。
波照間島のチャイムを聞くと、忙殺していた大切なことを思い出せる気がします。
- 涙を誘う、島独特のお見送りがある
- 島内のいたるところでヤギ(食用)が放牧されている
- 島内放送が時計代わりにされている