最短15日で出家できる「短期出家」について調べてみた。

旅行

「出家」というと、今の生活をすべて捨てて一生お坊さん・尼さんとして生きていく…という生活を想像しますよね。

でも実は最短15日で出家できる「短期出家」という出家方法があるんです。

スポンサーリンク

短期出家って何?修行は何日間?普通の出家とどう違うの?

gatag-00001986

短期出家は、タイ仏教独特の習慣。日本仏教にはない。

タイ仏教には短期出家という、独特の習慣があります。

タイ仏教では、生涯に一度は出家することが望ましいので、雨季に三か月から半年ぐらい出家する「短期出家」が一般的です。

都合の良いときに得度式(とくどしき / 僧侶になるための最初の儀式のこと)を受け、寺で仏門を学び、出家期間が終わると還俗(げんぞく)します。

短期出家の期間は、長短さまざまです。

親族の喪に服すために2〜3日だけ出家したり、外国人を対象に2週間程度の短期出家をおすすめしている寺もあります。

同じ仏教でも、日本仏教では、出家をした僧侶が還俗(げんぞく / 僧が俗人にかえること)することはほとんどありません(※2)。

短期出家の特徴は、「何度でも出家・還俗できる」「女性は出家できない」

短期出家は何度でもできます。

しかも、タイ仏教は宗派がほとんどないため、どの寺でも出家できます。タイの男性が、夏休みや有給休暇を利用して僧になることは珍しくありません(※3)。

しかし、残念ながら女性はタイで出家できません。

タイ仏教では女性は不浄な存在とされているからです。

タイには正式な尼・尼寺はありませんが、非公認の尼さんである「メーチー(แม่ชี)」と呼ばれる尼僧は年々増えています。

彼女たちは自発的に剃髪し、白衣をまとって修行します。

スポンサーリンク

短期出家のメリットとデメリットは?どんな人がやってるの?

gatag-00002710

短期出家のメリット5選

  1. 執着を捨てて心穏やかに生きられる
  2. 就活を控えた学生は、集団面接で誰にも負けない「出家経験」を話せる
  3. タイ仏教とタイ語を学び放題
  4. タイ国鉄(各駅停車)の乗車運賃、トイレ使用料が無料になる
  5. トラックのバスで優先的に助手席に座れる

短期出家のデメリット4選

  1. 髪の毛がなくなる
  2. 最低でも15日間は電子機器に触れない
  3. 日本で食べるような、清潔な食事は食べられない
  4. ふかふかの寝床はない

ですね。

きつい仕事やプライベートから現実逃避したい人、「人生で一度くらい面白い経験をしてやろう!」という冒険心溢れる人や、世界の宗教・哲学が好きな人にはオススメです。

日本人で短期出家した人は、仏教学者でもある立正大学教授の三友健容(みともけんよう)先生や、毎日新聞大阪学芸部の記者である棚部秀行(たなべひでゆき)氏が有名です。

お二人のように、アジア人の思想に興味をもっているなら是非行くべきですね。

スポンサーリンク

どこの寺で短期出家できるの?

8059512417_aeff70c70a_b

男性であれば、タイにある寺院どこででも可能です。

ただ、日本語や英語に対応している15日〜1ヶ月ほどの短期出家ができる寺院は、(分かる範囲で)1つのみでした。

女性は、2009年時点なのでやや古い情報ですが、1寺院のみ対応しています。

<男性>タイ中央部のサムットソンクラーム県にある「テープシリン寺院」

タイ中央部にあるサムットソンクラーム県にあるテープシリン寺院では、毎月新人僧向けに15日間の短期出家をしています(※3)。

日本語による1ヶ月間の短期出家を斡旋している「国際短期出家 日本語コース」では、年に1度、大学生から社会人、リタイア後の方まで幅広い年代の男性が参加していますね。

<女性>タイ中部のナコーンパトム県にある「ワットソンタムマカンヤニ寺」

タイで最も有名な尼寺は、タイ中部のナコーンパトム県にあるワットソンタムマカンヤニ寺です。

タイ初の尼僧、タンマナンター氏は、この寺から輩出されました。この寺では、(タイ語がある程度必要ですが)約3ヶ月の短期出家をすることができます(※4)。

他にも、タイ中部のカンチャナブリ―県にあるワットタム・マンコントーン寺も有名です。

ただ、こちらの寺では「 瞑想する尼僧の水中ショー」が観光スポットになっているのみで、短期出家を受け入れているかは分かりません。

下の動画は、修行を積んだ尼僧が深さ2,5m、直径6mほどの水槽内で水に浮かぶ修行をしているところです。

合掌をしたままであったり水中で座禅を組んだり、手足を動かすことなく水に浮かぶ姿はとても神秘的・・なのか?

[aside type=”normal”]参考文献
※1:タイ仏教出家僧侶ウィスッタスィーローのホームページ「短期出家とは」
※2:在東京タイ王国大使館「『微笑みの国タイ』のルーツ」
※3:毎日新聞「タイ出家日記:/8 僧の1日 夕食なしでも精神集中」
※4:伊藤友美氏「現代タイ上座部仏教における女性の沙弥尼出家と比丘尼 受戒-理念のアピールと語られない現実」
[/aside]

matome2

  • 短期出家は多くの場合、男性のみ可能。女性でも非公式に出家できる。
  • 日本語で短期出家の講習が受けられるのは、「国際短期出家 日本語コース」のみ
  • 修行することで、執着を捨て、楽に生きられるようになる
  • 就活でおもしろいエピソードトークができる
タイトルとURLをコピーしました