「あなたのため」教育虐待をうけた父と私の話。

うつ病

わたしの家族は、全員が高学歴・高収入というエリートです。

家族にはお金も名声もあったけれど、わたしは家族と一緒にいて、一度も幸せだと思ったことはありません。

両親から教育虐待を受けていたからです。

教育虐待とは、教育熱心な親の「行き過ぎたしつけ」のことです。

今回は、教育虐待の被害者が自力で立ち直った方法をご紹介します。

勉強しないと「しつけ」と、母から殴られた

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まず、わたしの父をご紹介します。

幼少期、わたしの父は母親から日常的に殴られていたそうです。

勉強をしないと殴られ、無理やり机に向かわされていたと聞きました。

父の母親は義母にいじめられおり、「子どもを立派に育てて見返してやる」と思っていたようです。

父は必死に勉強し、今では立派な社会人になりました。

ただ、父は勉強しないと愛されなかったからか、50歳を超えた今でも病的なほど働きます

帰宅しても、何かに取り憑かれたように、すぐ職場へ向かいます。

心のどこかで、「母に愛されたい」という思いがずっとくすぶっているのかもしれません。



低学歴な人間は、生きてて恥ずかしい

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私は、そんな「勉強をしなければ愛されない」環境で育った父に育てられました。

学校で成績が落ちても、父は私を殴りませんでした。

でも、「勉強ができなければ、生きているのが恥ずかしい」という雰囲気が家庭内にありました。

テストの成績が悪かったとき、「バカなくせに一丁前にご飯だけは食べるのね」と思われるのが怖くて、食卓にいけませんでした。

両親の視線から隠れるように、体を小さくして食事をしていました。

食事以外は家族の前に姿を見せないようにしたことを、思い出します。

勉強しなければ愛されない家庭で育ったわたしは、勉強しかできない人間になりました。

遊びは悪だと言う先生や親の顔色をうかがい、「勉強こそ全て」という親の言うとおり真面目に勉強しました。

そして、私は勉強はできても自分の意見がない「伝書バト人間」になったんです。

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本書は、子供3人全員を、灘高から東大へ合格させた母親の本です。

この母親は、子どもたちを決して外で遊ばせないという教育をしています。この3兄弟は、社会に出て初めて「自分は母親がいないと何もできない、伝書バト人間なんだ」と絶望するでしょう。



伝書バト人間は、社会ではいらない人間

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社会に出て、はじめて壁にぶつかりました。今まで勉強さえしていれば、愛され褒めてもらえたのに、社会ではそうじゃなかった。

「あいつは勉強はできるけど、仕事ができないんだよな」と言われるたびに、胸が張り裂けそうでした。

「勉強しかしちゃダメって躾られたから、仕方ないじゃない」
「勉強さえしていれば、愛されるし認めてもらえると思っていたのに・・・」
また勉強以外でも苦しまないといけないの?

と、思いつづけるうちにうつ病になっていました。

父は、無学な人の愛し方を知らない

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わたしの父は、勉強をしなければ母親に愛してもらえませんでした。

わたしも、学校の成績が悪かったとき、父に愛された記憶がありません。

父はきっと、「勉強をしなかった自分」が愛された経験がないから、勉強ができなかった娘のこともどう愛していいのか分からなかったのだと思います。

結婚・出産したら、自分も子どもに教育虐待してしまうかもしれない

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わたしは物心ついてから、ずっと出産に恐怖を感じていました。

なぜなら、自分の子どもにも、父と同じように教育虐待をしてしまうのではないかと思ったからです。

自分の子どもは、勉強しても、しなくても、たくさん愛してあげたい。

だって、自分が「勉強しないと愛されない」という辛さを知っているから。

でも、本当に「勉強しない子ども」を愛せるのかずっと不安でした。

「条件付きの愛情はいらない」と拒否したら、楽になった

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今わたしは会社を退職し、ライターの仕事をしています。

うつ病になり、一度立ち止まって考えた結果、絶対的な権威である父に反抗するのはとても怖かったけれど、父の奴隷から脱しようと決意しました。

父は「有名大学を卒業して、有名企業で働く」ことが幸せだと思っています。

でも、わたしにとっての幸せは、そうじゃなかった。

それなのに、父の愛情がほしくて、嫌いな勉強ばかりをして生きてきました。

勉強しなければ愛されない、という教育虐待を受けた人は、ずっと両親の奴隷なんです。芸をしたらおやつをもらえるペットのようなものです。

でも、子どもはペットじゃありません。

だから「勉強しないともらえない愛情なんて、いらない」と自分から拒否したら、すごく楽になりました。

やっと、自分の人生の手綱を、取り戻せました。

これで、もう父の愛情に振り回されずに済みます。

条件付きの愛情で縛られた世界から、一歩踏み出そう

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「勉強しないと愛さない」という親は、安易かつ卑怯です。

子どもにとっては、親が世界のすべてです。

そんな無力な生き物を相手に、傷つけてしか従わせることしかできないのは恥ずかしいことです。

親が世界のすべてだからこそ、「勉強しないと愛されない」という心の傷は、深く深く、心に根付きます。

子どもは「私は条件付きでしか愛してもらえない人間なんだ」と思い、長い間苦しみます。

教育虐待で苦しむ人は、自分の両親の生育環境を振り返ってみてください。

そこに解決の糸口があるはずです。

そして、教育虐待の加害者に「条件付きの愛情はいらない!」ときっぱり拒否してください。

そうすれば、ありのままのあなたを愛する人が周りに集まってきます。

いままでとは全く違う景色、今までとは比べものにならないくらい「楽しくあなたらしく生きられる世界」が広がっているはずです。

「条件付きの愛情」については、「チヤホヤされたい!目立ちたい!他人に注目されたい心理とは?」に詳しく書いています。

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  • 教育虐待の加害者は、教育虐待の被害者であることが多い
  • 教育虐待の被害者は、勉強以外なにもできない「指示待ちの伝書バト人間」になる
  • 教育虐待の呪縛から逃れるには、「勉強すれば愛してもらえる」という誘惑を断ち、ありのままの自分を愛してくれる人と出会う努力をすること

「条件付きの愛情はいらない!」と拒否すれば、親や恋人のためではなく、自分のために人生を生きられます。のびのびと、自分を愛し、生きましょう。

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