私は2年前にうつ病を発症し、今も闘病生活を送っています。
普段はあまり重度の抑うつ状態に陥ることはありません。(薬を飲んでいるので…)
でも、過去の出来事をふと思い出すきっかけがあったり、うつ病の原因になった人の近くにいくと、嘔吐したり、しばらく強い自殺願望にさいなまれます。
でも、普段の私を見て「うつ病は治った」んだと勘違いする人は多いです。
時々、強い抑うつ状態を発症するとさまざまな言葉をかけられるのですが‥
その中でも、「こんな言葉は言ってほしくない」というものをご紹介します。
あなたの身の回りにうつ病患者がいたら、どうかこの3点に気をつけて話しかけてあげてください。
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うつ病に無理解な人の無神経な言葉に、死にたくなる
皆さん、今普段生活している家の中をざっと見渡してみてください。
こんな風に見えていると思います。
一方、重度の抑うつ状態の時、私たちうつ病患者には風景がこんな風に見えています。
何もしたくない、死にたい、私なんて価値がない、誰か殺してくれ‥そんな言葉がこだまのように頭をいっぱいにするので、見ているようで見えていないんです。
うつ病など精神疾患を罹患した経験のある人は、患者自身がどんな気持ちで生きているのかを知っています。
患者はこんな風景を見ていることを知っています。
なので、何を言われたくないか、何を言ってほしいか。
それがきちんと分かるんです。
なので、言葉を選んで話しかけてくれます。
でも、うつ病の家族がいるとか、友人がいるとか、
そういった程度ではなかなか患者自身の気持ちは理解できません。
「こういう風に言葉がけしたら元気になるだろう」とか「ちょっとからかって、楽しい気分にさせてやろう」とか、勝手な決めつけをしないでほしいんです。
なぜなら、健常者の皆さんとうつ病患者の私は、見ている景色が全く違うから。
見ている景色がこれだけ違えば、受け止め方も、健常者とは全然違うのです。
あなたが特に何も考えずに言ったその一言が、うつ病患者を追い詰めます。
最悪の場合、自殺に至らしめることもあるということを分かってください。
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「病んでるね」→病気だもの。バカにしてるの?
うつ病患者は、人当たりのいい人が多いです。
なぜなら、他人に嫌われたくないから。
嫌われないように、必死で場を盛り上げるし、元気なフリをするのが得意です。
「疲れた」「本当はこんなことしたくない」と思う時も、他人を気遣って自分のことは後回しにしてしまうんです。
[voice icon=”https://namakerie.me/wp-content/uploads/2017/01/pose_atama_kakaeru_woman.png” name=”あなた” type=”l”]誰か本当の私を愛して!助けて![/voice]
[voice icon=”https://namakerie.me/wp-content/uploads/2017/07/pose_unzari_man.png” name=”あなた” type=”l”]誰も本当の私なんて求めてないんだ‥私なんていなくてもいいんだ[/voice]
そんな自分のこころの叫びを無視し続ければ、どこかでガタが出ます。
そうやって、人当たりのいい人は、うつ病になっていく。
うつ病を発症してからも、人当たりのよさはなかなか治りません。
自分の言いたいことを自由に言おうと思っても、長年染み付いた癖はすぐには変えられないものです。
そうやって無理してしまい、数日後、数週間後に抑うつ状態になってしまう。
よくあることです。
なのに、そういう時に「病んでるね〜」と茶化すように言ってくる人がいます。
その人の目から見れば
[voice icon=”https://namakerie.me/wp-content/uploads/2017/05/youngman_28.png” name=”無理解な人” type=”l”]この間まで元気だったから、今は単に落ち込んでるだけでしょ。もともと欝っぽい陰キャラだもんね、この人w[/voice]
くらいの気持ちで声がけしているんでしょう。
でも、うつ病患者は、病人です。
しかも、一生かけても治らないかもしれない重度の病です。
いつ命を自ら絶ってもおかしくない、いつだって綱渡りをしているようなギリギリの状態で生きているんです。
それを、「病んでる」という、あたかもファッションで暗いキャラクターを演じているかのような物言いをするなんて‥最低です。
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「気楽にね」→治療中なのに、気楽になれるかボケ!
また、抑うつ状態の症状を話すと、「気楽にね」と言う人がいます。
気楽にできてたら、こんな病気にそもそもなってないわ!!
と怒りが湧いてきます。
たいてい、「気楽にね」なんて言う人は、人に迷惑をかけても平気な人ばかりです。
人に迷惑をかけられないと思って、いろんな問題を抱え込んできたからうつ病になったんだ。あなたに私の気持ちなんて一生わからないでしょうね。
そんな気持ちになります。
そして、その人には今後何も相談するまいと思いますね。
「まず動いてみたら?」→動けたらこんな苦しんでない!
私は筋トレや体を動かすことが好きなんですが、重度の抑うつ状態の時はさすがに全然動けないです。
ベッドから起き上がることすら力を使いますし、外なんて到底行けません。
そんな時に、知ったかぶりで「筋トレをするとうつ病が治りやすいらしいよ。少しでもいいから散歩とか体を動かしてみたら?」とアドバイスをしてくる人がいます。
うつ病患者自身が一番、うつ病を治したいと思っています。
どうやったら治せるかなんて、薬の成分の名前も含めて、そこらの町医者よりよく知っています。
何かをしようという気力があれば、全部行動に移しています。
それができないから、今これだけ苦しんでいるんです。
今の私が見ている風景なんて分からないくせに、知ったかぶりしないで!
知ったかぶりのくせに、「あなたは治そうと努力してない」なんて一方的に非難しないで!黙って!
うつ病患者にとって、こうやって余計なお世話を焼いてくる人が一番厄介です。
たいてい、うつ病患者を死に追い込むのは、こうやって知ったかぶりの知識で患者を追い詰める人なんですよね。
うつ病の病状を知らない・知ろうとも思わないなら、話しかけないで
うつ病のことをもっと深く知るつもりもない、今後私のうつ病治療につきっきりでサポートしてくれるわけでもない。
そんな人は、二度とうつ病について言及しないで!話しかけないで!
そう思ってしまいます。
重度のうつ病状態の時、私たち患者は正常な判断ができなくなっています。
健常者と同じ考え方、感じ方はできません。
なので、あなたの些細な一言が私の自殺の引き金を引くことになりかねないんです。
うつ病など精神疾患を実際に体験した人、患者の気持ちを全力で理解しようと奔走した人、そういった人以外は、患者の気持ちなんて分かりません。
うつ病患者に、思いつきの言葉で話しかけないでください。
私たちも、あなたの些細な言葉で死にたくありません。
うつ病患者の家族や恋人、過去に精神疾患の経験のある友人以外は、うつ病患者が苦しんでいても、(一見冷酷と思われるかもしれませんが)放っておいてください。
それが、私たちうつ病患者にとっても、健常者の皆さんにとっても、最善の策です。
うつ病患者の見ている景色を見ようと努力する、気持ちのコントロールをサポートする、そういったことをしてあげられる人だけが話しかけてあげてほしいです。
世の中から、健常者からの偏見や不用意な発言が原因で自殺するうつ病患者がなくなりますように。