いよいよ夏休みですね。
小中学生のお子さんをお持ちの方は、休みを使って子供たちにどんな経験をさせようか悩んでいると思います。
もしお子さんを「自分のアタマで考える子」に育てたいなら、夏休みは宿題なんてさせないでください。
今回は、アドラー心理学をもとに「自分のアタマで考える子」の育て方〜夏休み編〜をご紹介します。
自分のアタマで考える子に育てたいなら、宿題なんてさせるな
「せっかくの休みだから」と、子供に色んな体験をさせていませんか?
夏休み。多くの子どもたちは、学校からの宿題に追われます。
それに加えて、ご両親は「せっかくの休みだから、絵画や感想文のコンクールに出してみない?」「合宿に行ってみない?」と、子供に色んな提案をしていませんか。
その教育法では、お子さんは「自分のアタマで考えない子」になりますよ。
子供は「大人から出された課課題をしないと、自分は愛される価値がない」と勘違いする
自分のアタマで考える子は、大人から褒められるとか全く関係なく、「自分が好きだから」という理由で、興味のあることを一生懸命学びます。何も言われなくても、試行錯誤を繰り返します。
でも、自分のアタマで考えない子は、大人から課題を出されないと行動しません。
なぜなら、課題を出して、それを達成して、褒められる、という経験しかしたことがないので、課題を出されないときにどう行動したらいいのかわからないのです。
また、課題を出されないのに、変に行動を起こして、怒られるのが怖いのです。
自分の存在価値は、課題をそつなく達成することなのに、そつなく達成出来なければ、自分の存在価値はないも同然だと思うのです。
ご両親がお子さんに夏休みの宿題を出すのは、「その課題をこなさないと、あなたを愛さない」「課題をこなさないあなたに、存在価値はない」と言っているようなものなのです。
そういう行動、無意識にしていませんか。
どうやったら自分のアタマで考える子に育つの?
子どもが好きなことに没頭していたら、それを見守ろう
ご両親が「宿題しなさい!」といっても、なかなか宿題をしない。いつもゲームをしてばかり、漫画を読んでばかりというお子さんは多いのではないでしょうか。
そんな子供のだらしない姿に、ご両親はイライラしてしまうでしょう。
でも、そこで頭ごなしに怒ったり、逆に「好きなことを一生懸命やってえらいね!」と褒めたりしてはいけません。ただ見守ってください。
これは、累計部数63万部を突破したベストセラー「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」「幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII」をもとにした教育法です。
アドラー流教育法「褒めず、怒らず、勇気づける」ことが大事
褒めてはいけない
子供を褒めてしまうと「ほめられるために行動する」子になるのです。
例えば、お母さんの代わりにお皿洗いをしたからといって褒めてはいけません。
そこで褒めてしまうと、子供はお母さんのいるところでしかお皿洗いをせず、褒められたい一心でお皿洗いをするようになります。
「なぜお皿洗いをするのか」「なぜお母さんがやっているのか」など、本質を考えない子、つまり「自分のアタマで考えない子」になります。
怒ってはいけない
親は圧倒的な強者です。
子供は、両親から食事を与えられず、監禁されたら、死にます。
だからこそ、両親が権力で子供を抑えつけようとしたら、子供は従うしかありません。親の怒りは、子供にとっては生死を左右するものです。
どんなに些細なことであっても、怒らず「こういう場合は、こういう風にするものだ」と知識を共有しましょう。
決して上から目線で言ってはいけません。あくまで対等な目線で言いましょう。
子供だからと見くびっていると、子供は敏感に察知して、両親の言葉を信用しなくなります。
信用出来ない人の言葉は、どれだけ言われても心に響きません。
自分のアタマで考える子に育てる以前に、親子の信頼関係さえ失うことになります。
勇気づける
子供と同じ目線で、本人の意思を尊重しつつ、望ましい行動には好意的な言葉をかけ、本人が望む方向に進めるようアドバイスしましょう。
明らかに間違った方向に進もうとしたときは、望ましくない結果を示しましょう。
例えば、お皿洗いを自主的にやった子供に対して「ありがとう、助かったよ」と声をかけるのは「勇気づけ」です。
「お母さんの役にたってくれてありがとう」と主観的な褒め方ではなく、「あなたは社会の役に立ったのだ」ということを示すのは、良いことなんです。
人は社会で生きています。
社会の役に立つという幸福感こそ、私たちを自立に導きます。
だからこそ、子供には「あなたの行動は社会のために役立った」と積極的に勇気づけてあげましょう。
- 自分のアタマで考える子を育てたいなら、「褒めず・叱らず・勇気づける」
- 宿題なんか強要せずに、ありのままの子を愛し育てることが大事
筆者は小学生の頃、夏休みに外で遊んだ記憶がありません。
ずっと勉強させられていました。おかげで私は「自分のアタマで考えない子」に育ち、大人になってから随分苦労しました。
筆者のように、親から過剰に教育をさせられることは「教育虐待」といいます。
教育虐待の体験談、「自分のアタマで考えられない」ために「指示待ち人間」と怒られた社会人時代については「『あなたのため』教育虐待をうけた父と私の話。」で紹介しています。
お子さんをお持ちの方は、子供への情熱が押し付けではないか、やり過ぎではないか、を考えるきっかけになるでしょう。
[aside type=”normal”]参考文献:
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