皆さんは、福岡三大夏祭りをご存知でしょうか。
博多祇園山笠、小倉祇園太鼓、そして戸畑祇園大山笠です。
戸畑祇園大山笠は200年以上の歴史を持ち、「提灯山」の愛称で広く親しまれています。
ユネスコの無形文化遺産候補かつ国指定重要無形民俗文化財に登録されている、北九州市民誇りのお祭りです。
今回は、戸畑祇園大山笠の見どころやアクセス情報も交えて、戸畑祇園大山笠の魅力をたっぷりお伝えします。
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戸畑祇園大山笠の概要と歴史
戸畑祇園大山笠の概要
戸畑祇園大山笠は、200年を超える歴史を持つ戸畑区の伝統行事です。
国の重要無形民俗文化財に指定され、福岡県夏の三大祭りの一つとして「提灯山」の愛称で広く親しまれています。
毎年7月の第4土曜日をはさむ前後3日間、昼と夜に各地域で演奏会が行われます。
一番の見どころは、祭りの中日に戸畑区役所前、浅生一号公園周辺で行われる「戸畑祇園大山笠競演会」です。
各地域から中原大山笠・天籟寺大山笠・東大山笠・西大山笠の4つの大山笠が集まり、
揃いのはっぴ姿にはちまきをキリッとしめた若衆が、 ヨイトサ、ヨイトサのかけ声にあわせて豪華で勇壮な競演を繰り広げます。
提灯山笠の高さは、約8.5メートル。この形態の提灯山笠としては日本最大規模です。
12段、309個もの提灯が飾られた大山笠と小若山笠の8基が、
30分間にわたり、美しさと速さを競います。
戸畑祇園大山笠の歴史
1803年(享和3年)、徳川第11代将軍の徳川家斉の時代に、戸畑祇園大山笠は生まれました。
この時代、戸畑付近では疫病が蔓延していました。
疫病を食い止めようと村人たちが須佐之男命(すさのおのみこと)をおまつりした神社へ祈願したところ、見事に疫病が静まったのだそうです。
須佐之男命(すさのおのみこと)への感謝を示すため、山笠を作り祝ったことが「戸畑祇園大山笠」のはじまりだと言われています。
これ以降、戦争のため中断された時期もありましたが、戸畑大山笠は脈々と受け継がれてきました。昭和55年には国の重要無形民俗文化財に指定されて現在に至ります。
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戸畑祇園大山笠の日程と開催時間
戸畑祇園大山笠の全日程スケジュール
2016年度の日程は、2016年7月22日(金)〜2016年7月24日(日)でした。
毎年7月の第4土曜日をはさむ前後3日間にわたって行われるので、2018年度の開催日程は2018年7月27日(金)〜2017年7月29日(日)の予定です。
2016年度の開催日程を例にあげて、各日のスケジュールをご紹介します。
日程 | 時間 | 内容 | 補足説明 |
1日目 | 朝 | 飛幡八幡宮、菅原神社、中原八幡宮にて各祭典 | |
昼夜 | 各山運行 | 提灯をつける前の山笠(幟山笠(のぼりやまがさ))が、各地区をぐるりと周回します。 | |
2日目 | 10:00〜 | 神移し・大下り | 4基の山笠はそれぞれおまつりしている神様が違うので、お祭りの準備方法も違います。 例えば、天籟寺大山笠では、早朝から山笠の飾り付けをし、10時頃には山笠を担いで神社へ向かいます。神社へ向かうまでは山笠をおろしてはいけない、到着後も3回動かしてから下ろすなど、準備には細かい手順があります。 |
洞海湾にてお汐井(しおい)汲み | 神官が海水を手桶に汲んで、榊(さかき)の枝でお汐井(しおい)を幟山笠や関係者にかけてお祓いをします。 | ||
18:30〜21:00 | 戸畑区役所前、浅生一号公園周辺にて、提灯大山笠自由競演会 | ||
3日目 | 昼夜 | 各山運行 | 提灯をつけていない山笠(幟山笠(のぼりやまがさ))が、各地区をぐるりと周回します。 |
戸畑祇園大山笠の中日スケジュール(式次第)
全8つの提灯山笠が集結する戸畑祇園大山笠競演会は、毎年中日の20:30〜21:00に行われます。
2016年度は7月23日(土)でしたが、2017年は7月29日(土)に開催されるでしょう。
中日のタイムスケジュールは、こんな感じです。
時間 | 内容 | 補足説明 |
18:30〜18:45
|
競演会開会式 (1)競演会開会宣言 東大山笠総監督 (2)主催者挨拶 戸畑祇園大山笠振興会会長 (3)来賓祝辞 北九州市長 |
開会の挨拶時点で、すでに場所取りをしている人で賑わっています。 お酒を飲みながらのんびり競演会を待ちましょう。 |
18:45〜19:15 | 祇園ばやし披露 | 戸畑大山笠の起源は、現在の飛幡八幡宮(とびはたはちまんぐう)、恵美須神社(えびすじんじゃ)、中原八幡宮(なかばるはちまんぐう)、菅原神社(すがわらじんじゃ)という4つの神社が合同で行ったお祭りだと言われています。
そのため、神社ごとにお囃子の音や太鼓のリズムが違います。 ちなみに、東大山笠が飛幡八幡宮、西大山笠が恵美須神社、中原大山笠が中原八幡宮、天籟寺大山笠が菅原神社に奉納されます。 |
19:15〜19:30 | 全幟山笠運行開始 | 幟山笠(のぼりやまがさ)とは、提灯をつけていない山笠のことです。 |
19:30〜20:00 | 全山笠五段上げ開始 | いよいよ、全ての幟山笠に提灯をつけます。昼の姿から夜の姿へ一瞬でかわります。お見逃しなく! |
20:00〜 | 全提灯山笠運行開始 | この時点では、まだ4区の提灯山笠は競争しません。のんびり道を周回するだけです。 |
20:05〜20:40 | 提灯小若山笠運行 | 中学生が担ぐ、4基の小若山笠が運行します。
山笠の下部には、お囃子をする小学生や幼稚園生の男の子たちが乗っています。(戸畑祇園大山笠は女人禁制) 高校生以上が担ぐ、4基の提灯山笠よりも早めに終わります。 |
20:30〜21:00 | 提灯大山笠自由競演会開始 | 戸畑祇園大山笠、最大の見どころです!
2基が横に並んでデッドヒートを見せてくれることもあります。 |
21:00 | 提灯大山笠運行停止 | |
21:00〜21:05 | 三本締め (4基いずれかの提灯山笠の総代表が務める) |
雨天の場合でも、提灯のロウソクが消えてしまうほどの荒天でない限り決行されます。
ただ、戸畑祇園大山笠競演会が行われる、戸畑区役所前、浅生一号公園周辺は雨宿りできる場所がありません。傘やレインコートなど、雨具を忘れないようにしましょう!
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戸畑祇園大山笠の開催場所・アクセス方法
開催場所
提灯大山笠自由競演会は、戸畑区役所前、浅生一号公園周辺で行われます。
それ以外の日は、提灯なしの山笠が各地区を周回しています。
アクセス方法
戸畑祇園大山笠の臨時・特設駐車場は設けられないので、電車で来るべきです。
JR戸畑駅から徒歩10分ほどです。
最寄りの駐車場は、戸畑駅直結のイオンにしかありません。
2016年度は提灯大山笠自由競演会が開催される中日だけで、10万人もの観光客が訪れました。
当日は、イオンの駐車場が朝からずっと満車でした。
戸畑付近は車だけでなく人も多くて混雑するので、小倉駅周辺の有料駐車場を利用するのがおすすめです。
小倉駅周辺には駐車場が多くあります。小倉駅から戸畑駅までは、鹿児島本線で3駅、所要時間は9分ほどです。
帰りの出庫もスムーズなので、良いですよ。
[aside type=”warning”]2016年度は、以下のように車両通行止め、歩行者専用道路の交通規制が敷かれました。
これ以外にも、祭り期間中は山笠の運行に伴って、一部交通規制が行われます。
警察官・係員の指示に従って下さいね。
[/aside]
戸畑祇園大山笠のおすすめ観覧スポット
戸畑祇園大山笠の2日目、中日に行われる提灯大山笠自由競演会のおすすめ観覧場所は、
有料観覧席(4,000円/席)です。
有料観覧席は、写真の赤丸で囲った部分です。戸畑区役所の屋根部分が席になっているんですね。
階段状になっているので、競演会の全体を見渡しやすいです。
写真を撮るのがお好きな方や、落ち着いて観覧したい方はぜひご利用ください。
よく抽選になるので、公式サイトをこまめにチェックして、なるべく早く申し込みましょう。
申し込み方法は、公式サイトに公表されている締切日までに、ハガキに、席数(1人10席まで申し込み可)、氏名、住所、電話番号を書いて申し込んでください。
抽選結果は、当選者のみに通知されます。
引き換え通知とチケットとの引き換えは、期間と場所が限定されています。ご注意ください。
引き換え期間は7日間、引き換え場所は戸畑区役所3階の戸畑区社会福祉協議会です。
(戸畑駅から戸畑区役所までの道順です。徒歩13分くらい。)
[aside type=”normal”]
- 席の指定は抽選時に行うため変更はできません。
- 指定席は階段席のため、車椅子での利用ができません。
- 大人、子どもの区別はなく、入場券1枚(1席)につき1人しか入場できません。1歳から有料。常時、抱っこする乳児(0歳児)のみ入場券不要です。
- 雨天決行。購入後の払い戻しはありません。幟、旗、幕類を外しての空山運行となる場合があります。[/aside]
自由席は450席あります。1人3,500円です。
自由席の場合は、指定された発売日に戸畑区役所正面玄関前に並び、券を購入します。
提灯大山笠自由競演会の当日の入場も、早い者勝ちです。場所取りはできません。
争奪戦になるので、なるべく早めに入場しましょう。
[aside type=”normal”]
- このチケットで指定席には座れません。
- 大人、子どもの区別はなく、入場券1枚(1席)につき1人しか入場できません。1歳から有料。常時、抱っこする乳児(0歳児)のみ入場券不要です。
- 雨天決行。購入後の払い戻しはありません。幟、旗、幕類を外しての空山運行となる場合があります。[/aside]
詳しくは北九州市の公式HPをご参照下さいね。
戸畑祇園大山笠に行ったら気をつける「たった1つのこと」
戸畑祇園大山笠で気をつけるべきことは、「混雑」です。
戸畑祇園大山笠の2日目、中日に行われる提灯大山笠自由競演会だけで10万人以上の人出があります。
歩道は広めですが、ブルーシートを敷いて観覧している人も多いです。
歩道は狭く・通りにくくなっていると思ってください。歩道から観覧する方は要注意です。
また、毎年必ず多くの子供が迷子になります。しっかり手を繋いでおきましょう。
有料席はベビーカー・車椅子は利用できないので、歩道で事前に場所取りしておくことをおすすめします。
実際、車いすの方や子供連れの方は18:00頃から屋台で買ったお酒や食べ物を食べながら、
お祭りをのんびり待っていらっしゃる方が多かったです。
地元の人は、こんな感じで場所取りしています。
お花見している感覚ですね。
戸畑祇園大山笠の見どころ・楽しみ方3選
昼の幟山笠(のぼりやまがさ)は「幕類」をチェック!勇壮な美しさ!
戸畑祇園大山笠は「提灯山笠」とも呼ばれていますが、提灯を飾る前の姿も美しいです。
提灯を飾る前の山笠は、幟山笠(のぼりやまがさ)と呼ばれ、お昼に各地区を周回している時しか見られません。
山笠には白菊をあしらった前花や幟(のぼり)などが飾られますが、特に見てほしいのが土台にほどこされた幕類です。
目がさめるような緋色の地に、勇壮な武者絵などが金糸・銀糸で刺繍されています。
優美さと繊細さ、そして躍動感を感じる絵柄です。
なめらかな緋色の地に金糸・銀糸が輝く様子は、観客を夢見心地にさせてくれます。
夜の提灯山笠では、この幕類は取り外されてしまうので、昼しか見られません。
目に焼き付けておきましょう。
江戸時代の村人たちが、疫病の恐怖から開放されながらこの山笠を見つめていたことを思うと、胸が熱くなりますね。
高さ10m、309個の提灯は圧巻。光のピラミッドは幻想的。
昼間とはうって変わって、全く違う姿に変身しました。
昼の幟山笠(のぼりやまがさ)の装飾品を全て取り払い、高さ約10メートル、309個もの提灯で飾られた、12段の光輝くピラミッドです。
各提灯山笠の重さは約2.5トンもあります。
これを、高校生以上の男性たちが50人〜100人で担ぎ上げ、戸畑区役所の一帯を威勢良く練り歩きます。
「ヨイトサ、ヨイトサ」という掛け声とともに進んでいく様子は、とにかくワクワクした気持ちにさせられます。まるで自分も担ぎ手になったような気分になれますよ。
近くの飛幡八幡宮に屋台がたくさん出ているので、イカ焼きやはしまきを片手に「ヨイトサ!」と掛け声をかけてみましょう。
昼から夜の姿へチェンジ!「五段上げ」は見逃すな。
昼の幟山笠(のぼりやまがさ)から、夜の提灯大笠山に変わる瞬間です。
てっぺんの提灯、5段を一気に乗せます。「五段上げ」と呼ばれています。
山笠の担ぎ手たちは、5段乗せ終えると、瞬く間に残りの7段を組み上げてしまいます。
その手際の良さには驚くばかりです。
2日目の19:30〜20:00には、全8基の幟山笠(のぼりやまがさ)が一斉に五段上げをします。
ぜひ、早めに戸畑区役所周辺に行き、この様子をご覧になって下さいね。
昼山から夜山へ、全く別の姿へと変わるお祭りは全国的にも例がありません。
以上、戸畑祇園大山笠についてご紹介しました。いかがだったでしょうか?
戸畑祇園大山笠の特徴は、「昼と夜で全く違う山笠になる」ことです。
昼夜で全く外見の異なる山笠でお祭りをするのは、全国で戸畑祇園大山笠ただ1つ!!
しかも提灯に本物のろうそくが使われているというのも、レアですよね。
戸畑祇園大山笠を訪れる際は、ぜひ昼と夜の両方を楽しんでいって下さい。
2.5トンもの山笠が勢い良く駆け抜けていく、圧倒的な疾走感を目の当たりにしてください。
夏祭りなら、ぜひ戸畑祇園大山笠へどうぞ!