こんにちは、摂食障害歴10年の私です。
つい食べ過ぎてしまうことってありますよね。クリスマス、年末年始、寝る前などなど。
しかし、過食嘔吐は空腹が原因で食べ過ぎるのではありません。
「心の病が原因で食べ過ぎる」のです。
過食嘔吐はどんな病気?
全国の医療施設を対象にした調査(1998年・厚労省)では、摂食障害の患者数は約2万3,000人で、80年からの約20年間で10倍増加しています。
350人に1人は摂食障害患者なので、例えば、中学校・高校の1学年に1人は必ずいるイメージですね。
一般に、90%以上が女性と報告されており、主な年齢層は10〜20代です。
ただ、患者は年々増加していますが、専門的な知識を持って治療できる医師はほとんどいません。
そのため、病気の苦しみを周りに理解してもらえず、患者はますます苦しむことになります。
しかも、過食嘔吐は、年齢を重ねるごとに症状が重くなっていく可能性の高い病気です。
年々、過食の量や回数、時間、金額が増えていきます。
だれも過食嘔吐の苦しみを理解してくれない。どうすれば治せるのか分からない。
過食嘔吐の患者は、ゴールのないトンネルを歩いているような気持ちでしょう。
過食嘔吐の原因は?なぜ食べてしまうのか。吐いてしまうのか。
過食嘔吐をする人のほとんどが、抑うつ状態にあるという報告がされています。
あなたはいつ頃から、過食嘔吐をし始めましたか?その時、家族や友人との関係はどんな感じだったのでしょう。
(摂食障害の)本当の原因は「心の傷」から発しているのです。
ある種の「心の傷」は「癒し」が得られないまま放置されると、摂食障害という形で癒しを求めるサインを出すのです。
それが摂食障害の根本的な原因ですから、「食べ方」を改善させようというような治療法ではいつまでも治せません。
そして摂食障害の女性たちにどうしても伝えたいのです。
いまのあなたの苦しみは、あなたに原因があるのではありません。
あなたは自分の知らないうちに深く傷つけられてしまったのです。
あなたの心がその傷の痛みに耐えかねて悲鳴をあげているのです。
自分の心の痛みに、まずあなた自身の耳を傾けてください。あなたの痛みは癒されるべき痛みです。
では、なぜ心が痛むのでしょうか。
代表的な原因をあげてみると
[wc_box color=”secondary” text_align=”left” margin_top=”” margin_bottom=”” class=””]
- 親からの虐待(ネグレクト、教育虐待、暴力など)
- 配偶者からの暴力(モラハラ、DVなど)
- 妊娠・出産や子育て、産後のストレス
- 学校や仕事上の人間関係(いじめ、過労、うつ)
- 勉学・仕事の苦しみ(過酷な受験競争)
[/wc_box]
などがあります。
過食嘔吐に苦しむ人のほとんどは、人間関係を原因としたストレスで抑うつ状態になっているんです。
長い間、過食嘔吐は「ストレスを理由に、食べ物を粗末にしている。太りたくないから吐けばいい、という甘い考えが問題だ。」と偏見をうけてきました。
しかし、本人が自覚していようといまいと、過食嘔吐をしている人はうつの治療と同様に、精神科で心の病を治療すべきなんです。
過食嘔吐をする人は、認知症になりやすくなる
しかも、過食嘔吐は心を病んでしまうだけではなく、体をも蝕みます。
過食嘔吐が癖になると、食べたものをすべて吐かずにはいられなくなります。
吐けなかった分は、下剤を使って無理に排出しようとします。
過食嘔吐の経験がある方は、おわかりになるでしょう。
食事しても吐いてしまうので、十分な栄養が体内に取り込まれません。
栄養失調のような状態になるんです。
体内に取り込まれる栄養が少ないので、臓器は貴重な栄養を使わないように動かなくなります。
胃や腸が食べ物を消化できなくなったりと、まるで死ぬ間際の老人のような体内環境になってしまいます。
栄養失調になると、体を動かすためのエネルギー(脂肪)が足りなくなります。
脳の大部分は脂肪でできているので、脳を削って体を動かすようになり、脳萎縮という病気が引き起こされます。
脳の萎縮(いしゅく)とともに、認知機能の一部(例えば記憶力)も少しずつ退化します。
脳が萎縮すると、認知症になりやすくなります。
私も過食嘔吐が習慣化していた時、忘れっぽくなったり、ものが覚えられなくなったと感じることが多かったです。
認知症まではいかなくとも、過食嘔吐患者の多くは記憶力の低下を実感しています。
そして、一度萎縮した脳は、二度と元に戻りません。
実年齢は若くても、脳は70、80歳のおばあちゃんと同じということがありえるのです。
過食嘔吐は、内蔵機能を低下させるだけでなく脳機能も低下させます。
あなたは「誰にも心配をかけない、迷惑をかけない自傷行為なんだから、好きにさせてくれ!」と思うかもしれません。
でも、あなたは過食嘔吐をすることで、未来のあなたに心配をかけ、迷惑をかけているんです。
過食嘔吐の解決策は?
過食嘔吐をしているあなたは、自分の心を見つめなおす必要があります。
自分の心を見つめて、どこにストレスがあるのか。
なぜストレスを感じているのか。
ストレスを実感していなければ、なぜ実感できていないのか。
それを考えてみましょう。
自分の心を見つめなおすためには、この3つのステップを踏んでみましょう。
[wc_box color=”secondary” text_align=”left” margin_top=”” margin_bottom=”” class=””]
- 自分が過食嘔吐をするとき、過食嘔吐をし始めたときを思い出し、なぜ?と問い続ける
- 自分に問い、行動した続けた結果や過程を、精神科医に話す
- ステップ1と2を、何度も繰り返す
[/wc_box]
STEP1のポイント:いろんな人の考えを知る
手段は、ネットでも本でも講演会でもいいです。
私が一番おすすめするのは、本です。
出版されているということは、その本に書かれていることが、社会的に価値があるということでしょう。
玉石混交のネット情報よりも、本のほうが質のいい情報を手に入れられます。
また、講演会や人に会うのも良いのですが、過食嘔吐に苦しむ人は人間関係によるストレスを感じている人が多いので、なるべく人と向かい合わない方が、苦しまずにすみます。
過食嘔吐をしていると記憶力が悪くなるので、知ったことはノートに書き留めておくのもおすすめです。
メモすると、やりたいことを忘れずに済むし、前進している気にもなれます。
STEP2のポイント:頼れる医師に、毎回1時間はカウンセリングしてもらおう
STEP2では、あえて「精神科医」と書きました。
文系出身のカウンセラーは、素人に毛が生えた程度の知識で勤めている人も多いです。
科学的根拠にもとづいてカウンセリングをしてくれる、精神科医にかかりましょう。
また、あなたの話を最低でも、毎回1時間は聞いてくれる先生でなければ無意味です。
都内病院は5分しか診療してくれず、過食嘔吐患者を精神薬漬けにする先生が多いです。
人間的に、自分と合っていることも大事です。
「絶対性格が合わない!」という先生も絶対います。
そんな時は、すぐ他の病院に行きましょう。
きちんと、早く、過食嘔吐を治すためには、頼れる先生を選ぶのが大事です。
STEP3のポイント:辛くても、STEP1と2を繰り返す
STEP3は、とにかくSTEP1とSTEP2を繰り返すという作業です。
STEP1で自分の内面をえぐり、嫌な記憶を思い出すのはとてもつらいことです。
STEP2で、先生からの反応が気になって苦しむこともあるでしょう。
でも、「自分の心が言うこと」と「自分が実際に他人に言うこと」が重なるまで続けましょう。
そうすれば、自分に嘘をついて苦しむことがなくなります。
たくさん食べて、自分を傷つけて、憔悴することもなくなります。一時の苦しさです。
焦らず、ゆっくり自分を見つめていきましょう。
過食嘔吐を改善するためには、自分の内面を見つめて、もがく
私は高校時代から過食嘔吐に苦しめられてきました。
両親による教育虐待が原因です。
うつを発症して自分の心と向き合ったら、過食嘔吐も随分少なくなってきました。
まだストレスを感じると過食嘔吐をしてしまうので完治はしていないけれど、良くなってきています。
それはひとえに、自分の心を見つめて、嫌な記憶を泣きながら掘り出して、なぜ?どうして?その時どんな気持ちだった?と自分に問いかけ続けたからです。
カウンセリングの最中はなんども死にたくなったし、カウンセリングに行かなくなった時期もありました。
でも、今はいろんな考えを知って、考えて、自分の心と向き合ったら、自分の心に素直になれました。
そしたら生きるのが急に楽になったんです。
いま、過食嘔吐、その裏にあるなにかあなたを悩ませる枷を外してあげたい。
過食嘔吐の克服を通して、素晴らしい人生をおくるためのきっかけをつくってほしいんです。
自分を内面を見つめなおす、目的別おすすめ本5冊
自分が過食嘔吐で苦しんでいるときに参考になった本、私が自分の内面をなぜ?なぜ?と問い続けられた、そのきっかけになった本たちをご紹介します。
家族や友人、同僚・上司との関係を変えるなら
[amazonjs asin=”4478025819″ locale=”JP” title=”嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え”]
[amazonjs asin=”4478066116″ locale=”JP” title=”幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII”]
日本では89万部を超えるベストセラーとなった「嫌われる勇気」。本書はビジネスマンだけでなく、「周囲の人と折り合い、どう生きるべきか」を悩む全ての人に読んで欲しいです。
悩んでばかりで踏み出せない自分を変えるなら
[amazonjs asin=”4569824099″ locale=”JP” title=”悩まずにはいられない人 (PHP新書)”]
[amazonjs asin=”4837924360″ locale=”JP” title=”うつ病は重症でも2週間で治る、もし……: 「つらい生き方」をやめる心理学”]
加藤諦三氏は、人間性心理学や精神分析学を専門としている社会学者です。特に、抑うつ状態で悩んでいる方におすすめしたいです。
なぜあなたが、うつになったのか。うつから抜け出せないのか。
膨大な人間性心理学・精神分析学の知識に裏打ちされた言葉が、心にずしりと響きます。
過食嘔吐の体験談を知るなら
[amazonjs asin=”4391128632″ locale=”JP” title=”「食べない心」と「吐く心」―摂食障害から立ち直る女性たち”]
過食嘔吐って、なかなか周囲の人に打ち明けられません。だからこそ、悶々と悩んでしまいます。
同じ苦しみを経験しながらも、克服した人の話はとても勇気づけられるものです。
年齢も生育環境もさまざまな女性たちが、どのように過食嘔吐を治療したのか。
過食嘔吐をしてしまった時、自分を攻めている時、そんな辛い時に読んでほしいです。
- 過食嘔吐患者は年々増加しているのに、専門医が少なく、情報も少ないので治療しにくい
- 過食嘔吐のほとんどは、人間関係によるストレスを原因とした抑うつ状態にある
- 過食嘔吐は、胃腸だけでなく脳の機能低下を引き起こす
- 抑うつ状態を解消するために、ストレスの原因を探りつつ、精神科医のカウンセリングを受けるべし
- 過食嘔吐を克服できたら、生き方が変わる。生きやすくなる。
自分のストレスの原因を考え、行動するほど、あなたは自分の心が本当は何を望んでいるかが分かるようになり、心の声を表に出すことができるようになってくるでしょう。
自分の心の中と、実際の自分の言動が一致してくれば、随分生きやすくなるはずです。
でも、行動に起こすには大変な勇気が必要です。
周りに嫌われたくない、怖い、どう思われるだろう・・・。
でも、少しだけでもいいから、踏み出してみましょう。
その小さな一歩は、閉じ込められていたあなたを開放するための、過食嘔吐を克服するための大きな一歩です。
共に、過食嘔吐を克服しましょう!