ペーター・ヴォールレーベン「樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声」のネタバレ感想|木に感情がある!?

雑談

ペーター・ヴォールレーベン「樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声」を読みました!

登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨

登場人物とあらすじ

<あらすじ>
わたしたちは樹木とともにありさまざまな恩恵を受けているが、どれだけ彼らのことを知っているだろうか?
ドイツで長年、森林の管理をしてきた著者が、豊かな経験で得た知恵と知識を伝える、樹木への愛に満ちた名著。
樹木たちの密やかな生活の「真実」が明かされる。

 

こんな人におすすめ

  • 自然、森が好き🍃
  • ドイツが好き🇩🇪
  • 人間が他種族とどう共存していくべきかについて興味がある🤔

 

ネタバレ感想

木、植物…それらは動物たちのようには意志を持たず、痛みも感じないものだと思っていました。

しかし本書を読んでそれが誤りだったと気付きました。たちは菌類のネットワークを介して電気信号で情報を送り合っており、互いに光や水を分け合いながら成長しくのだそうです。

また、面白いことに、「木の社会の真の価値はその中の最も弱いメンバーをいかに守るかによって決まる」のだそう。木の社会は人間社会よりよほど発達した社会組織だといえます。

また、現代社会においては都市部で木や森を見ることはほとんどなくなりました。公園などに植えられている木は森のように仲間を持ちません。つまり彼らは「ストリートチルドレン」。親も仲間もなくいきなり植えられ、しかも地面の環境は最悪です。枝を切られるという暴力を与えられ、最後は伐採という死刑が待っています。

この視点は私にとってとても斬新で、同時に都会の木がどれほど孤独で辛い運命を背負って生きているのかをまざまざと思い知らされました。木にとって一番良い人生が送れるのは自然な森の中で生きることなのですね。

スイスの憲法には、動物、植物、および他の生体を扱うときには、その生き物の尊厳を尊重しなければならないと記されているそうです。本書を読めば読むほど、木には人間と同じく意志があるのだと思い知らされます。木が意志を持っていると知った今、どの国でもスイスに倣い、動植物を「生体」として扱う日が来て欲しいと願わずにはいられません。

本書の著者であるヴォールレーベン氏は、もともとドイツで行政官という立場でした。しかし木を深く理解するにつれ行政官として行うさまざまな施策の誤りに気づいていくのです。将来の安定と公務員の道を捨てた彼は、独自の森林保護政策を叫んでいきます。そして今や一部自治体は行政府ではなく彼と個人的な契約を結び森林の保護と管理を委託しているのだとか。

最後にヴォールレーベン氏が私たちに贈ってくれた言葉を記します。

森林は資材の自動販売機ではない。樹木は人間に使われることを目的として、ただそこにあるのではない。樹木も私たちと同じように感情を持ち、社会的な生活を営むいきものなのだから、よりよく共存する方法を探さなければならない。

樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声
作者:ペーター・ヴォールレーベン
わたしたちは樹木とともにありさまざまな恩恵を受けているが、どれだけ彼らのことを知っているだろうか?ドイツで長年、森林の管理をしてきた著者が、豊かな経験で得た知恵と知識を伝える、樹木への愛に満ちた名著。樹木たちの密やかな生活の「真実」が明かされる。

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