阿部共実「月曜日の友達」シリーズを読みました!
登場人物とあらすじ、どんな人にオススメなのかなど、ネタバレ感想とともにがっつりご紹介します!☺️✨
登場人物とあらすじ
<あらすじ>
みんなが少しずつ大人びてくる中学1年生、そんな中であどけなさが抜けない女子・水谷茜。
水谷はひょんなことから「俺は超能力が使える!」と突拍子もないことを言う同級生の男子・月野透と月曜日の夜に校庭で会う約束をする。
大人と子供のはざまのひとときの輝きを描く、
まばゆく、胸がしめつけられるガールミーツボーイ物語。
こんな人におすすめ
- 中学時代ならではの青春のモヤモヤを感じたい🌸
- 現実とファンタジーの境目があいまいな不思議な物語を読みたい🧙♂️
- 甘酸っぱい、友達以上恋人未満な関係を感じたい🥺
ネタバレ感想
1巻
中学生になった途端、周囲が急に大人びて感じられて戸惑う主人公・水谷。美形だけれど無口なのと奇行の噂ゆえに孤立している月野。2人が偶然出会って絆を強めていく過程は、胸が熱くなります。
謎めいた月野はただの変人かと思いきや、兄弟思いの優しい兄貴。でもヤンキーの火木に言い返せない気弱な面もあって…水谷はそんな月野と友達でいられること、思い出を作れることを大切に感じています。
水谷が「みんなどうやって大人になっていくんだろう」と悩むシーンにはすごく共感しました。知らない間に少年も少女も大人になっていくんだよなあ…。
2人の友情が長く深く続いてほしいと祈りたくなる、優しい時間に溢れた1巻でした。
2巻
水谷が月野を救いたくて火野に暴露した「月曜日の夜」のことが、結果的に月野を傷つけてしまいました。
(水谷の独白)「自分が傷つくことより人を傷つけることが怖いことを知った。自分が傷ついたことより人を傷つけたことが辛いことを知った。」
(月野と喧嘩したことを水谷姉が察して言った言葉)「大人になるって言う事は我慢したり控えることではなく、与えるってことだよ。」
(月野と仲直りしたときの水谷の独白)「こんなに甘い痛みがあることを私は知らなかった。」
この3つはとても印象的なセリフです。自分が傷つくより傷つけることが怖いのは、相手を自分と同じかそれ以上に大切に思っているからですよね。
「大人になるということは与えるということ」というのは、なんとなく分かる気がします。が、(良い意味で)理想論ですね。
超能力が使えるというのは月野が現実逃避するための嘘かと思っていましたが、火野も巻き込んで大掛かりな超能力が発現しましたね〜!あれは比喩なのだろうか🤔
月野の「全ての可能性を追い求めることだけが人生ではないと分かった」という言葉は深いですね…。
2人の人生はこれからも別々の方向を向いて進んでゆくけれど、どうか2人とも幸せになってほしいです。
まとめ
独特の余韻がある、不思議な物語でした。
無口で変人と噂の美少年・月野と、言動が幼稚な凡人・水谷。
2人が出会って、「超能力の実感」という謎のきっかけで月曜日の夜を共に過ごすようになり、互いの心は近づいていきます。
その中で、大人って何だろう?どうなれば大切な人を大切にし続けられるんだろう?と不器用に悩む彼らが愛おしく、ふと読み返したくなる温かさに溢れています。
人生に迷った時、ふっと肩の力を抜かせてくれるような素敵な作品でした。