職場・学校・家庭…。どんな場所にも、理解できないほど不愉快な人はいるものです。
誰にでも、少なくとも1人は憎らしい、殺したいと思う人がいるはず。
今回は、米国の有名セラピストであるチャック・スペザーノ博士の著書「傷つくならば、それは「愛」ではない」を参考に、「殺したいほど憎い人がいるあなたへ、すぐ実践できる大人の対処法」を紹介します。
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誰かを恨んでいるのなら、自分のほうから歩み寄れ
「自分から歩み寄るなんてもってのほか、あっちが歩み寄ってきても許せない!」
憎らしい相手に対して、あなたはそう思っているでしょう。
憎い、殺したいと思う相手のことは、いったん脇に置いておきます。
まず、あなたの「憎らしい」という気持ちを見つめてみましょう。
「憎らしい」という気持ちについて注目すべきなのは、ありとあらゆる点で、「自分は絶対に正しい」という思い込みがつきまとっていることです。
本当に、私は、自分が思うほど絶対に正しいのでしょうか。
自分>怒りではなく、怒り>自分となる危険性
「自分が絶対に正しい」と信じすぎることは、危険なことです。
特に、相手を殺したいと思うほど、自分の正義にのめり込んでいるのは、一種の「怒りによる洗脳」状態にあると言えます。
誰かを殺したいほど憎んでいるあなたは、本来のあなたではなく、「怒りに洗脳されたあなた」です。冷静さを欠き、物事を正しく把握できなくなっています。
つまり、「殺したい」「憎い」と感じている状態は、自分が怒りという感情をコントロールしているのではなく、あなたの怒りがあなた自身をコントロールしているような状態になってしまっているのです。
簡単にいえば、憎しみでいっぱいのあなたは、あなた自身を失ったただの「復讐鬼」「殺人鬼」のようなものだということです。
怒り>自分になると、無差別に悪者を仕立て上げるようになる
あなたは今、ある1人に対して、殺したいほどの憎らしい思いを感じているかもしれません。
いったん「憎い」という感情が湧き出てくると、怒りはあなたを支配し、その怒りの矛先を無差別にふるうようになります。
「自分は絶対に正しいのに、あいつは私の正しさを理解しない」「だから、他のやつを私の正しさで屈服させて憂さ晴らしをしよう」と思ってしまうのです。
「自分は絶対に正しい」と信じ込んでいるからこそ、こうなってしまいます。
そもそも、「憎い」という感情が生まれる理由
あなたが相手を憎いと思うのは、自分を無理やり、特定の観念体系に縛りつけているからです。
本来、人間はみんな自由であって、何かを「しなくてはいけない」ということはありません。
自由にのびのびと生きる権利は、あなたにも、そして憎らしいあの人にも等しく与えられています。
あなたは、「○をBさんがやらないと他の人の迷惑になる。Bさんは○を絶対にやらないといけない」など、「Bさんは絶対にやらないといけない」と自分の考えを押し付けるような考え方をしていませんか。
自分がいつの間にか作り上げた「〜しなくてはいけない」というルールに、他人を勝手にはめこんでいませんか。
自分で作ったルールに自分だけが縛られるのは問題ありません。
でも、他人を巻き込むのは筋違いです。
他人にも、自分なりのルールがあります。
人は、お互いに考えていること、主義主張がひとりひとり違います。
だからこそ、おたがいの考え方やルールを尊重しなくてはならないはずです。
逆に言えば、あなた自身が、自分を縛っている「マイルール」を少なくしていけば、自分自身も自由になれるし、他人に対しても寛容になれるのです。
自分を縛るルールをはずして、憎しみから自由になろう
あなたは自然と、「〜してはいけない」「〜しなければならない」と自分の人生を縛ってきていませんか。
「常識」「普通」などの言葉に踊らされて、自分の行動を制限していませんか。
あなたが誰かを、殺したい・憎いと思っている間は、あなた自身はずっとそのギチギチのルールの中でしか生きられません。
本当のあなたは、もっとのびやかで、自由で、さまざまな可能性に溢れた人のはずなのに。
だからこそ、憎しみや殺意という感情から解き放たれましょう。
そのために、その憎らしいという感情を捨てるのです。
憎しみの感情を捨てるには
殺したいほど憎らしいあの人に、あなた自身から近づいてみましょう。
あなたを殺したいほど憎んでいた、申し訳ないと謝れなくてももちろん構いません。
その人の「マイルール」を知り、あなたの「マイルール」を教えるのです。
おたがいの考えを共有し、話し合い、落とし所を見つけられたら最高です。
あなたは、あなた自身を取り戻し、むしろそれまでのあなたよりも、もっと自由でクリエイティブな存在になれるでしょう。
あなたと話した、憎らしい相手も、それを感じて変わっていくはずです。
あなたを起点として、自分をマイルールで縛っている人たちが少しずつ自由になり、いずれおたがいを許し、認め合える人間関係が増えていきます。
殺したいほど憎い人がいたら、口で言い負かしたり、権力や金を使って打ちのめすのではなく、あなたから相手に近づいてみましょう。
そうすれば、あなた自身も、あなたの周りの人間関係も、すべてがうまくいくようになりますよ。