SPARX(スパークス)という、抑うつへの効果が実証された3DRPGゲームの日本版がリリースされました。
抑うつへの効果があるということで、うつ病患者が実際にプレイしてみると、どんな効果があるのか?体験してみました。
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SPARX(スパークス)は、抑うつへの効果が実証されたRPGゲーム
SPARXは、先進国の中で最も10代の自殺率が高いニュージーランドの国家プロジェクトの1つとして,オークランド大学で開発された本格的な3DRPGゲームです。
SPARXでは、日本やアメリカで保険適用の対象になっている「認知行動療法」とよばれるうつ病の治療法を学べます。
ゲームをプレイすることで、抑うつや不安への効果が実証されているのだそうです。
日本版は、日本人成人でも楽しめるようローカライズされており、Smart(賢明)・Positive(前向き)・Active(活動的)・Realistic(現実的な)・X-factorthought(新しい考え方)を身につけられるようなゲームになっているのだとか。
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認知行動療法は「行動を変えれば、考え方は変わる」という治療法
認知行動療法といきなり言われても、どんな治療法なのか知らない方も多いでしょう。
認知行動療法は、「行動を変えれば考え方は変わる」という治療法です。
うつ病患者は、気分が落ち込んでいるとき、どうしても室内にこもりがちですし、夜更かしをしたり、偏った食生活をするなど、行動に一定の傾向があります。
この行動を変えることで、抑うつ状態になりやすい考え方をしないように変えるというものです。
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SPARXでは、ゲームを進めると認知行動療法を段階的に学べる
SPARXは全部で7レベルあり、1レベルあたり約30分かかります。どのレベルも認知行動療法の流れに沿って段階的に進みます。
各レベルのテーマは以下のようになっています。
[wc_box color=”secondary” text_align=”left” margin_top=”” margin_bottom=”” class=””]
- 希望を見つける
- 行動活性化
- 感情のコントロール方法
- 問題の解決を試みる方法
- ネガティブな認知に気づく方法
- ネガティブな認知と戦う方法
- 全てのまとめ
[/wc_box]
まず鬱々としている気分を変えるために、「自分が今日できたこと」に目を向けます。これが希望を見つけるということです。
「◯◯はできた!」とうつ病患者に、達成感と希望を与えるということですね。歯を磨いたとか、窓を開けたとかそういうもので構わないです。
行動活性化は、「◯◯はできた!」ということを徐々に増やしていくこと。そして、問題に突き当たったとき、ネガティブな感情を冷静に捉えるように諭されます。
最後は、これらの内容を復習といった流れですね。
うつ病患者の私がプレイした感想「ゲームの習慣がないor飽き性には毒」
では、実際にうつ病患者の私がプレイしてみて、どうだったのか?効果はあったのか?
結論を言うと、「悪い効果しかなかった」です。
私はゲームをする習慣がないし、やってもあまり楽しいと思えないので、3ステージくらいまでやったところで飽きてしまいました。
飽きているのに、やりたくないのに、「うつ病に効くと分かっているゲームをやらない」という自分に罪悪感を覚えてしまったために、ゲームを立ち上げること自体がつらくなってしまいました。
ゲームを立ち上げるたびに、「早くうつ病を治せ」と命令されているような気持ちになるんです。
それに、うつ病の人は自責的人が多いと思います。
ゲーム内で「その選択肢ではありません」とか、自分の選んだ回答が間違っていてキャラクターが動いてくれなかったりすると、「これが正しいと思った私は間違いなの?」「間違っている私は前に進めない…」「生きていても意味ないんだ…」と悲観的になってしまいました。
なので、私にとっては抑うつ状態を促進はさせても、まったく改善の効果は得られませんでした。
うつ病患者への治療法は十人十色
うつ病患者に対する治療法は、人それぞれ違います。
うつ病患者がうつ病を発症したきっかけが人それぞれ違うように、その人に最適な治療法は違うんです。
私は精神分析的精神療法(力動的心理療法)が一番自分によく効く治療法でした。
なので、認知行動療法があっているうつ病患者には効果を発揮するのかもしれませんが、私には合わなかったですね。
プレイしていても、ステージがすすむごとに重苦しい気分になりました。
家族にうつ病患者がいても、ゲームを勧めるのはNG
こういうゲームが出ると、意識の高い親御さんや配偶者の方々が、うつ病にかかっているお子さん・配偶者の方にプレイさせる例がでてくると思いますが、絶対にやめてください。
私は、うつ病患者に何かを強要したり、成果を求めるのは逆効果だと思います。
実際、私がうつ病にかかったときに、父が毎日家に帰ってくるたびに「今日は何をしたの?」「病状は少し良くなった?」と1日の成果を求めてくるのがとても苦しかったです。
聞かれるのが怖くてうまく寝付けなかったし、毎日激しく過食嘔吐をしていました。
当時は父からの言葉がつらくて、毎日死にたいと泣いていたことを思い出します。
ゲームが「やらなければいけない仕事」みたいになると、脅迫的にやってしまい、ゲームをクリアするという結果ばかりを求め、結局何も身につきません。ただつらいだけです。
SPARXは、ゲーム好きかつ認知行動療法が合ったうつ病患者におすすめ
SPARXは、もともとゲームをする習慣があり、認知行動療法が合っているうつ病患者にはおすすめです。
でも、それ以外のうつ病患者がやっても、全く効果は得られないです。
勉強にはなるでしょうが、それ自体が「自分への枷」になってしまって、よりつらい気持ちになってしまう危険性が高いです。少なくとも私はそうです。
ただ、SPARXはかなり効果の高いゲームだといわれています。
このゲームを通して、一人でも多くのうつ病患者が、一番つらい除隊から脱せることを願っています。