回復後が一番危険!回復後のうつ病患者が気をつけるべき1つのこと

うつ病

うつ病で最も危険な時期は、「回復後」です。

一見、寝たきりの最も苦しい時期をヘて、身も心もすっかり回復したように見えます。

でも、うつ病は数週間〜数ヶ月程度の短期間では治りません。

十分に休んで体は回復していても、心はまだ回復できていません。

なのに、回復したと勘違いして行動しはじめた途端、無意識に自傷行為に走るのはよくあることです。

今回は、「回復後のうつ病患者がおこした自傷行動と、それを防ぐための注意点」をご紹介します。

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うつ病患者は、回復後に自傷行為を起こしやすい

回復後は、行動力がついて心は治っていない状態

うつ病は、一度発症すると、何度も抑うつ状態と回復期を繰り返します。

人生で初めて抑うつ状態を経験し、そこから脱することが出来た時、多くの人は「これでやっとうつ病の苦しみから抜け出せた!」と思うでしょう。

しかし、違うのです。

戦いは、そこからなんです。

最初の「回復」では、ただ体の疲れが取り除かれただけなのです。

うつ病による心の傷は、治っていません。

心の奥底にある、真のうつ病の原因を解決するには、これまで生きてきた人生の年数分はかかるでしょう。

回復後は、行動力は復活するものの、心の傷はまだ癒えていない状態なので、危険です。

なぜなら、一見「うつ病を発症する前の自分」に戻ったように、自分自身も他人も感じられるのですが、心は抑うつ状態に罹患した状態なので、心のせいで思いもよらない行動に出てしまうことが多々あるのです。

自傷行為は、回復に向かっている「いい傾向」

特に多い行動は、「自傷行為」。

これは一見問題行動なんですが、うつ病の治療上、回復に向かっている良い過程とも言えます。

なぜなら、自傷行為を行うのは、「戦っている」から。

戦う対象は、両親の言いなりになっていた過去の自分自身かもしれないし、パワハラ・セクハラをする上司や同僚たちかもしれない。

彼らの言いなりにはなりたくない、そんな自分と決別したい。心の中でずっと戦っているけれど、負けそうになる。そんな負けそうな弱い自分を戒めたい。強くならなければ、強くなれ、と自分を叱咤したい。だから、自傷行為を行うんです。

自傷行為を行う理由はさまざまあると思いますが、私自身は、これが理由でした。

コンビニスイーツを店内で貪り食う、異様な客…まさか自分がそうなるなんて

自傷行為は、色んな行動があります。リストカット、アームカットだけでなく、過食嘔吐、根性焼き、怪我をするまで壁を殴るなど。肉体を傷つけるという方法以外をとることもあります。

わたしの場合、過食嘔吐する場所を朦朧と探し、あるカフェに大量のコンビニスイーツを持ち込んで貪っていたことがあります。もちろん、お店の人に怒られたし、出てけって怒られました。当然ですよね。

普段の私なら、そういう行為は駄目だと分かります。

でも、その時の私は「誰かに罵倒されたかった」から、あえてその行動をやった気がします。その時のことは、ぼんやりモヤがかかったような記憶しかないのですが。

私の場合は、「他人から怒られる」ということで、昔の自分に負けそうになる自分を罰しようとしたけど、最悪、自分の体を傷つけたり、自殺するかもしれません。

当時の状況をあまり覚えていないということからも、他人に罰されるためには何をするか分からなかったということにゾッとします。

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自傷行為を防ぐには、自分の行動を意識化させよう

少しでもそういった妙な行動を起こさないように、私がしたこと。

それは、日記アプリやノートに「今日しようと思っていること」を書き出して、客観的におかしくないか一旦考えることでした。

例えば、過食嘔吐したい。でも、実家で過食嘔吐するとバレてしまう。過食嘔吐が両親にバレて怒られるのが怖い。だから、外で過食嘔吐したい。近くにカフェがあるから、そこに持ち込んで過食嘔吐したい。

と、やりたいと思っていることをまず書き出します。

そして、その後に、客観的にその行動がどう考えられるかを書いていくんです。

カフェに食べ物を持ち込んではいけない。お店の人やお客さんの迷惑になる。それは常識的にしてはいけないことだ。外で過食嘔吐をしたいなら、公園のトイレなどを借りるしかない。

など、その行動を分析して、行動を否定するなら代替案を出してみる。肯定するなら、なぜそう考えたか書き残しておく。

こうすることで、当時どう考えて行動したか記録を作れます。

考え方の記録をつけることで、カウンセリングのときにも先生に報告しやすくなるし、どう考え方を変えたらどう行動するようになったとかもひと目で分かるのでおすすめですよ。

そして、衝動的に行動しなくなるので、行動する前に、自分の行動をいったん文字化するようになってから、理性的に動けるようになったと思います。突拍子もない自傷行為は少なくなったと感じます。

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うつ病患者の家族には、「回復したように見えても、そうじゃない」ことをわかってほしい

うつ病患者自身ができる唯一の自傷行為防止法は、「ノートに書き出して、自分を客観的に見つめること」だと思います。

必死で対策しているつもりでも、つい自傷行為をしてしまうことはあります。今、うつ病患者の心のなかでは、自分のこれまでの人生との戦いが起きているんです。自分の存在意義を見つめ直しているんです。

そこで自分を叱咤激励しようと自傷行為をしてしまうのは、仕方のないことです。決して、自傷行為を行う自分を責めてはいけません。

それは、周囲のご家族もそうです。自傷行為をする患者自身を決して責めないでください。

うつ病患者自身、そしてその周囲の方々には、うつ病患者が一旦元気になったように見えても、いつも通りの行動ができるわけじゃないと分かってほしいです。

なぜ自分は罰を求めてしまうんだろう、と苦しんでいるうつ病患者さんや、なぜ息子や娘は突拍子も無い行動をするのかと不安に思っている人は、長い目でうつ病を捉えてみてください。

うつ病は、抑うつ状態と回復を何度もくりかえす病気です。

ゆっくり、人生単位でうつ病を治していきましょう。

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  • うつ病は、抑うつ状態と回復を何度もくりかえす病気。すぐに完治はしない。
  • 回復後が最も激しい自傷行為をしやすいので、危険。
  • うつ病患者自身が自傷行為を防止する方法は、「ノートに自分のやりたい行動を書き出して、客観的にとらえてみること」
  • うつ病患者の家族は、うつ病患者が無意識下に自傷行為を行うことをわかってほしい

うつ病で苦しんでいるとき、自分は世間から置いてけぼりにされているような気持ちになると思います。

こんなに自分は苦しんでいるのに、この苦しみに何か意味があるのか。戦う必要があるのか。戦わないで死にたいと思うこともあるでしょう。

でも、何も変わっていないように見えて、あなたはいろんなことを考えて、情報を取り入れて、変わっています。

日々、戦い傷つき、見えないながらもあなたの心は前に進んでいます。

1日1日をただ生きて、積み重ねていくごとに、意味があります。焦らず、急がず、ゆっくり治していきましょう。

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