アリアナ・グランデも日本人に警鐘!ポリティカル・コレクトネスとは?

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来日中の歌姫、アリアナ・グランデの言動が話題になっています。

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『スッキリ!!』では、次のような一幕があった。

司会の加藤浩次(46)が、4月から同番組レギュラーのハリセンボン・近藤春菜(33)の容姿が「マイケル・ムーアやシュレックに似ている」という持ちネタで、アリアナのことも笑わせようとした。

近藤の十八番ネタであるが、このやり取りを見てもアリアナは笑わない。

アリアナは「今日初めて会いしました」と返答。シャレは通じない。

アリアナはCM中、近藤に「あなたは本当にマイケル・ムーアに似てないから。私が約束する」と声を掛けたそうだ。

近藤の素の容姿がオジサンに似ていることをネタにして笑いをとろうというのは、アリアナには通じなかったのだ。

「女芸人のブスネタが通用するのは国内限定。アリアナ・グランデ「近藤春菜はすごくかわいい」」

このアリアナの行動、言動に違和感を感じた日本人は多いでしょう。

「そんなに本気にしなくてもいいじゃん」「軽い冗談でしょ。アリアナ、ノリ悪いな」と思いませんでしたか?

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そんな本気にしなくても…と思ったあなた、ドイツなら刑務所行きです。

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日本では「人の身体的特徴を笑う」ことが普通です。

オカリナのゆいPはデブ、トレンディエンジェルの斎藤さんはハゲなど、外見の特徴を武器に笑いをとっている芸人は多いですよね。

でも、彼らが世界で同じネタをしても、どこの国の人々も笑わないでしょう。

そもそも、法的に罰せられるので笑えません。

「身体的特徴を貶める」行為は、明らかな「差別」だからです。

例えばドイツでは、ヘイトスピーチをした者は最低3ヶ月、最高5ヶ月の禁固刑を科されます

身体的特徴をあざ笑うことは、これほどまでに重い罪なのです

ヘイトスピーチ(英: hate speech)とは、人種、国籍、宗教、性的指向、性別、障害などに基づいて個人または集団を攻撃、脅迫、侮辱し、さらには他人をそのように扇動する言論等を指す。

参考記事:「ヘイトスピーチの禁止を!」熊谷徹氏

日本は単一民族国家です。

そのため、ほとんどの日本人は、日本人以外の人種と接する機会が少ないです。

だからこそ、自分とは違う身体的特徴を、笑ったりバカにしたりすることに、罪の意識が低いんじゃないでしょうか。

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ほとんどの日本人が、他人の身体的特徴をバカにしていいと思っている

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テレビを見ていると、日本で売れているお笑い芸人の多くは、身体的特徴や性的マイノリティであることを自虐的にネタにしていることがわかります。

トレンディエンジェルは禿げていることを、メイプル超合金のナツさんは太っていること、カズレーザーさんはバイであることを。オカリナさんは、ブスであるということを。

日本で人気のある女性芸人の渡辺直美さんは、アメリカでビヨンセのモノマネをした時、現地の人々に感心されたそうです。

日本でのように、その巨体を嘲笑されることは全くなかったのです。

参考記事:なぜ渡辺直美はアメリカ人を感心させるのか

ここに、日本と世界との大きな違いがあります。

他人の身体的、人種的特徴をあざ笑うのは罪です。

にもかかわらず、日本では人の身体的特徴をあざ笑うことが罪である、という感覚がありません。

日本には「人の身体的特徴をバカにしてもいい」という空気が蔓延しています。

それは、テレビでのお笑い芸人の扱いを見ていればわかります。

「人の身体的特徴をバカにしてもいい」という空気がある、つまり、「生まれついた特徴をあざ笑い、のけ者にされても仕方ない」と多くの人が考えているということです。

この空気感は、明らかにいじめを助長します。

若い人ほど、ポリティカルコレクトネスが必要

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身体的・人種的・性的特徴を嘲笑する笑いは、罪です。

こういう笑いが普通という感覚は、いじめを生みます。

特に今、世界中で身体的な特徴への劣等感を持つ子供達が急増しています。

若い人こそ、ポリティカルコレクトネスの意識を強くもたねばなりません。

自分がいつ身体的、人種的特徴をバカにする加害者になり、逆に被害者になるかわからないからです。

みんなが同じ、平等な立場であると思っていれば、無意味な差別やいじめは起こりません。

国連曰く、日本はポリティカル・コレクトネスの意識が低い!

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しかし、前にも話したように、日本では日本人以外の人種が少ないため、身体的、人種的、性的特徴のある人を排除する風潮が強くあります。

日本も難民問題など、身体的・人種的・性的特徴がことなる人々を受け入れるようになったら本格的に議論が展開されるでしょう。

でも、この問題は一刻も早く解決されるべきです。世界の一般的な道徳感覚から、日本は大きくずれています。

これは、国連「表現の自由」特別報告者デビッド・ケーン氏の発言からもわかります。

国会の法務委員会メンバーと会談しました。市民団体の懸念も聞きました。

(日本では)ますますヘイトスピーチが増えていることが問題になっています。在日コリアンへのヘイトスピーチが高まっています。

まず反人種差別法を持つべきです。

ヘイトスピーチ以前に人種差別への法律が必要です。

雇用、住居など、人種だけでなく、とにかく差別は罰せられると法で制定するべきです。

国会の審議では、ヘイトスピーチに価値あるアプローチをしていると思いたい。

差別禁止のための教育を導入する必要があります。

政府職員がヘイトスピーチの問題を声を大にして教育していくべきです。

ヘイトスピーチ規制法は、逆利用されて被差別対象に不利益になる可能性があります。

まずは慎重に反差別法を制定し、そのなかにヘイトスピーチ対策も盛り込むが、表現の自由を制約するものでないとする必要があります。

国連「表現の自由」特別報告者「懸念は深まった」記者クラブ廃止など提言【発言詳報】

身体的・人種的・性的特徴がことなる人々を嘲笑すること自体、わたしもあなたも、誰かにされたら嫌なことですよね。

ポリティカルコレクトネスという感覚、ニュースを見るとき、友達と話している時、少し思い出してみませんか。

ポリティカル・コネクトレス≠言葉狩り

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多くの日本人は、ポリティカルコレクトネスを言葉狩りと勘違いしています

「言葉狩り」とは、ポリティカルコレクトネス(身体的特徴を理由に差別されない状態)を目指す過程で、他人の身体的特徴をバカにしたい人々が「使い慣れた言葉のほうがわかりやすくていい」など、理由をつけて使い続けようとしているのです。

ポリティカルコレクトネスは、すべての人が人として平等に生きるための考え方です。

言葉狩りとは、そういった考え方のために社会を変えようとする運動を嘲笑する言葉です。

人は言葉を交わして生きています。

だからこそ、言葉を変えれば、人々の意識も変わります。

肌色をだいだいいろと言ったり、看護婦さんを看護師さんと言うことで、身体的、人種的、性的特徴や差別を、徐々になくしていこうとしているんです。

ポリティカルコレクトネスは、世界で生きる人間として常識的な感覚です。

わたしたちは、言葉狩りという旧時代的な偏見を乗り越えねばなりません。

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  • アリアナ・グランデは、日本の芸人が「私はデブで醜い」とアピールして笑いをとろうとする姿に眉をひそめた
  • 日本は「ポリティカル・コレクトネス」(身体的特徴を理由に差別してはいけないという考え方)を知らない人が多い
  • 身体的特徴を笑うことは、いじめの原因だ
  • 日本の「お笑い」は変わるべきだし、我々はポリティカル・コレクトネスについて真剣に議論すべきだ

他人の身体的特徴を笑うのは、決してやってはいけないことです

笑うということは「自分とは違う」と嘲笑しているのであり、それはイジメにつながります。

あなたが海外に行った時、「アジア人は目が小さいね〜それで見えるの?」「そんなに低い鼻で、匂いが嗅げるの?」と笑われたらどう思うでしょうか。「イジってくれておいしい」だなんて、心から笑えますか。

自分の子供が、周りの子供達にそうからかわれていたらどう思うでしょうか。

ポリティカル・コレクトネスは、外見を理由に差別されないための考え方です。

差別について、真剣に考えてみませんか。

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